〜軍艦として航空戦艦を考えた時、その構想は古くからありました。それは戦艦としての強力な火器力と、空母としての機動力を併せもったもので、実にすばらしい軍艦が想像できるのです。
しかし現実には、主砲発射した時の爆風が、空母としての諸装置に悪影響を与え、また飛行機を発進させるときには、大きな檣楼が気流を乱して取り扱いを困難にしています〜ニチモ1/500航空戦艦日向・箱記載の説明文より引用。
(写真をクリックすると別画面で多少大きい写真が見れます)

 

 

 

 
 
 
 

中坊の夢・漢の浪漫?な航空戦艦。ついに手を出してしまいました(^^;)。それも連合国側・・・。航空戦艦伊勢・日向の情報が超甲巡計画におけるアラスカ級のごとく反応を連合国側に引き起こし、あちらさんが本気で航空戦艦作ったらこんな感じ?だったはずが、戦争が終わってしまったので、戦後の国連軍創設において、その力と国際協力の象徴として、あえて異なるものを組み合わせた航空戦艦を採用させて在庫処分&戦争終わった英米軍需産業対策・・・かもしんない。若干別角度の写真こちら
苺と大福というか、兵器と美少女というか。大砲と航空機という、それぞれ強いながらも相反するものをひとつの形にまとめてしまった、子供っぽいながらもある意味最強な魅力を持つ取り合わせ、それが航空戦艦なのかもしれません。
が、しかし現実の航空戦艦は魅力を引き出すどころか殺しあうような、上記引用文のごとくでありまして、私自身も艦船模型出戻った直後から色々構想したりしつつも、ネット上や各メディア作品等で色んな型が出たり考えられたりしてあまりにもアレなので(意味不明)部品やキットは集めつつも、いつか作るか、程度の気持ちのまま時は過ぎていきました。

 

 

 

 
 
 
 

で、サイト開設後もさらに幾年月過ぎていたのですが、手持ちのジャンクパーツを仮組みしてたら上図アングル(若干違う角度の別写真こちら)の無骨さ&最強感にヤられてしまい(苦笑)、先日(2006秋時点)ネット上某所で史実艦の俺艦改装やってたのを見たこともあって、どうせ俺艦だしジャンクパーツの有効利用も兼ねて、大口径砲を並列配置など理論上は非常にアレで(でも出現当時革新的なドレッドノートは30cm連装砲並列配置(構造物間に挟んでるけど)してるし、ある意味アリ?かも)新らし味が無くてもとりあえず形にすること優先で、全通飛行甲板な航空戦艦模型を形にしてみました。
まあ世には既に相当数の全通飛行甲板な航空戦艦模型ユーザーはいると思うのですが、ネット上でも第三帝国独逸とか大日本帝國or超兵器がらみでない英米系装備なのは意外に少ないかなあという気もするし、まず作ってる自分が楽しめるか、って事で。自分の模型の原点ってのは、多分そんなものなのです。

基本的には戦艦で、その上に空母施設を乗っけた感じなので、装甲などもそれに準じていると考えてもらえばよいのかなと思います。希望的?な基本スペックは以下。
■主砲36cm砲4連装4基16門
■高角砲5インチ両用砲連装3基6門、単装2基2門
■機銃ボフォース40mm4連装10基40門、2連装2基4門
20mm連装4基8門
■対36cm砲対応防御(弾薬庫等一部のみ対40cm砲対応防御、空母機能の部分は甲板など軽装甲のみ)
 
■搭載機30〜50機程度?
■最大速力28〜31ノット
 
■出力210000HP前後(アイオワ&ミッドウェーと同程度)
■全長294m前後(アイオワより長く退役時ミッドウェーより短い)
■最大全幅40m前後
 
第一に砲撃力確保、第二に実用的な飛行甲板の広さ確保を考えた為に(実作業ではなにより形にする事が最優先でしたが(^^;)船体規模の割りに対空兵器搭載量などがしわ寄せ食っている感がありますね。

 

 

 

 
 
 
 

上図のみカーソルを当てるとロールオーバーします(しない場合はブラウザのJavaスクリプト設定かアクティブなんたら(上の方にでるやつとか)をONにしてください)・・・狙われると結構怖いよね(笑
まぁ使用部品に関しては、みれば分かる感じなので説明するまでもないでしょうが、細かい所で言えば5インチ砲や40mm機銃はピットロードの部品セットではなく一回り小さいタミヤの別キットの物を使用、デカールは別キット付属のカルトグラフ製デカール、艦載機、探照灯は透明部品を使用と無駄なこだわりも忘れません(苦笑)ていうか、こんな船一生に一度作るか作らないかくらいのものだろうと思ったので、手持ちパーツ一斉放出状態だったりします(笑)
もっとも、ジャンクパーツ有効利用といっても、組んでるうちに欲しいパーツや足りないパーツがでてきたりして結局パーツだけ別購入(艦橋とか)したりしたので、組んだ後には な ぜ か ジャンクパーツが増えてるという矛盾があったりもします(^^;)
第3・第4砲塔基部に追加装甲を施した別写真はこちら

 

 

 

 
 
 
 

艦橋および甲板と艦載機。艦橋は英空母のものをベースに砲撃時に使用する戦闘艦橋を追加。
艦載機はご覧のとおり架空艦にふさわしく海軍仕様設定のP-38。陸軍機のくせにゲームの世界ではどういうわけか空母からよく飛び出してますが(笑
さらに後ろの方にはちょこんとP-39海軍型が載ってまして、こちらの方は海軍型の試作艦上戦闘機、XFL「エアラボニータ」という機種が実在したようですが、ゲームの世界ですらP-39が空母から出てくることは稀なような・・・ソ連では名機なんですがねぇ。

 

 

 

 
 
 
 

艦の上部から。主砲の射界はこの辺までかな。飛行甲板下の出っぱってる部分にあるのは普段は使わない予備艦橋兼予備戦闘艦橋で、戦闘時はシャッターを下ろして一段下の装甲された司令塔基部から指揮、ということになります。戦闘時通常の戦闘艦橋とこちらのどちらに居るかは、指揮官の性格が出そうです(笑
ちなみに当初から考えていた航空戦艦は、この手のいわゆる艦首武装集中型にはしたくないと思っていたのでずっとその線で構想してて、@前後の主砲塔の間に甲板を設置したタイプ、A前記@の後部主砲塔の上に橋を架けるようにして甲板を艦尾まで延長したタイプ(本来はこれを作ろうと思っていた)などがあったものの、構造が複雑で実用性無さそうなのとあまりカッコ良くない(^^;)ので、結局戦前から続く伝統的な(苦笑)この配置に。
全体を真上から見た図はこちら

 

 

 

 
 
 
 

斜め後方上空から。斜め前方右からはこちら
基本的に艦載機発艦は前方からですが、全備状態の爆撃機など、発進後相当沈み込むような重い機体を運用する場合は、艦尾方向からの発進も可能な様に後方へも18ノットで継続的航行が可能。さらに飛行甲板前方だけでなく後方にも油圧カタパルトを設置し、護衛空母で発進させられる物はひととおり発艦できる、という設定。飛行甲板はこれでも全長約190m弱、飛行甲板の高さは水面下から約15m弱の高さにある計算になります。

 

 

 

 
 
 
 

艦全体図を斜めから。同じ銀色塗装な航空機搭載&制作が間に合わなかった艦載のカッターを借りた縁で、軽巡熊野も友情出演(笑)。別角度写真はこちら
しかし本格的な航空戦艦ていうのも兵器の優等生度というか、スペック度のみからすれば、やっぱり無駄なものなんでしょうね。この模型の船体長サイズからみても、空母に徹するならミッドウェー級並だし、戦艦に徹するなら大和級2隻分の砲撃力を持つ大戦艦になれるわけですが、航空戦艦だと旧式戦艦2隻分の砲力と小型〜中型空母の航空兵力という(船体の割には)中途半端な兵力になってしまいます。ていうか、同じ船体のどっちの型とも、純粋な砲撃戦や純粋な航空戦で戦うと(よほどうまくやらない限り)勝てないんだよね(^^;
兵器の用途専門化と多用途化の波が歴史的に繰り返されている中で、どんな兵器も生まれた時期によっては駄作に成り下がってしまう可能性はあるのでしょうが、とりあえず的に多用途に使える事とか、船体こそ大きいけど装備・装甲等は従来のものが使えるから建造や維持がしやすいとか、砲艦外交するには見かけが強そう(苦笑)で広報としてもイメージ的に良いとか、時期が合ってちゃんと考えて使えば(バカみたいにコストがかかるとかなければ)何らかの役には立てるとは思うのです。今風に言うなら、マルチロール・バトルシップ(Multirole-Battleship→多用途運用戦艦?)とでも申しましょうか。洋書だとHybrid_Warshipてな本まで出ているようですし(全く見てないけど)。
単純に比較は出来ませんが、実際の世の中も飛びぬけたスペシャリストばかりで構成されているわけはないですし、一歩間違えれば専門バカ、ちょっと状況が変わってしまえばその専門がアダになったり、飛びぬけているゆえに狙われたりする事だって、現実に無いとはいえない訳ですし、ね。
ともあれこんな船が横須賀に来たら、わたしゃすぐに見に行きますよ(笑

 

 

 

 
 
 
 

・・・まぁともあれ、数箇所不十分だなと思ったりする部分もあったりしますし、特に最近の世の中の動きを見るとマジでこんな事してる場合じゃないなと正直思いますが、まぁこれで一応決着つけたかなとも思います(何?)。それに仕上がった完成品を見ればそりゃあ鑑賞してハァハァしちゃいますし(^^;)作業中では特にマスキングをはがしてライトグレイ・濃いグレイ・甲板色の塗り分けが綺麗に出てきた時の脳内物質放出が凄かったです(謎)。次いで仮組みした時、最終完成時かな。・・・まあどんなによく出来ても所詮は俺艦、結局は自己満足に過ぎないのですけどね。
出戻り時またはガキの時分からみればまさに幾年月、なんとか無事完成の陽の目をみたこの航空戦艦ですが、ただひとつ問題があって、この船は既存の完成品格納庫にはでかすぎて、展示用のケースに入れざるを得ず、置く場所に困っている事です(その後置き方を工夫することでなんとか収納)俺艦を作る時はもっと計画的に作らないといけませんね(^^;)

UP!!_追記:先日、メールで、これをどのように製作されたか?という質問を頂きまして、取り急ぎ簡単ではありますが、ここに書き連ねていこうかと思います。
船体は別スケールの船モノを使用しまして、最初の説明文にもある1/500のニチモ航空船艦日向のものをベースに、1/700の各種ジャンクパーツとプラ板の加工ででっち上げました。
また、船体の甲板は、外国製品の筋目の入ったプラ板を貼り付けて使用。飛行甲板はプラ板から切り出しました。
艦橋はフジミのアークロイヤルをベースに、手持ちのジャンクパーツを合わせて煙突拡大や戦闘用の艦橋を追加、主砲や主な装備品はKG5やフッドなどから流用しつつも、ピットロードの部品セットや汎用+日本空母用+米空母用のエッチングパーツを加工したり等々しています。
当時、製作に夢中で作成途中の写真が全くないため、参考になる写真が出せないのが残念ですが、大まかな制作時の概要としてはこんな感じです。

 

 

 

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